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性的少数者/セクシュアルマイノリティ [性の多様性]

性的少数者の存在は、従来は偏ったイメージで知られてきた。きちんと「男は男らしく/女は女らしく」していない、いわば「変態」だという認識である。そうした、侮蔑や嘲笑が入り混じった偏見は、ほんの20年ほど前までは主流だったとも言えるだろうし、現在もなお、なくなったわけではない。
しかし、近年は、そのような人々のことも、人間の多様なありようのひとつとして肯定する考え方が、急速に台頭してきている。特にここ10年あまりの間で、性的少数者を誤った存在であるとみなすことは差別であり、そうした差別状況を看過することは人権問題であるという機運が大きく進展したといえる。
それを受けて「変態」等々とは別のとらえ方が求められるようになった。
つまるところ「男は男らしく/女は女らしく」のような規範は、相対的により多数の人々が受容し適応している価値規準にすぎない。それにあてはまらない人々がいたとしても、それは正しくないわけではなく、少数派であるがゆえに不当に不利益を被っているマイノリティ集団なのである――。
このような経緯で概念化がなされ、登場した言葉が「性的少数者」である。カタカナに直して「セクシュアルマイノリティ」と言う場合もある。